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ヘンな日本美術史 [山口晃]


山口晃さんの新刊が祥伝社より刊行されました。


『ヘンな日本美術史』

帯に書かれている文章は

恐るべし、「日本人の絵」
雪舟、円山応挙、岩佐又兵衛……
日本美術には「ヘンなもの」
がいっぱいだった!

幕末、西洋人が日本人の描いた似顔絵を見て尋ねました。
「なぜ、横顔を描いているのに眼は正面を向いているのか?」
その日本人は答えました。
「本当だ。今まで気づかなかった」

西洋美術が写実の限界を感じる
もっと前から、日本人はドキドキするような
絵画の冒険をしてきたのです。



59ページ、113ページ、121ページ、237ページには山口さん描き下ろしのイラストでの説明あり。

目次

第一章 日本の古い絵――絵と絵師の幸せな関係
【鳥獣戯画】
012 実は好きじゃなかった「鳥獣戯画」
016 ユルさの奥にある四層構造の楽しみ
024 どこまでも広がる「作家性」
027 ちょろまかすのが日本らしさ!?
【白描画】
030 人も字もデザインになる
036 紙がそのままで「空間」になる
038 絵を駄目にする不用意な着色
041 白描画で眼の快楽に溺れる
【一遍聖絵(絹本)】
045 白をのせた瞬間の変化
049 絹の物質性を活かした空間の遊び
【伊勢物語絵巻】
054 毒にも薬にもならない絵
058 モチーフと背景の「成分」
【伝源頼朝像】
064 本人を前にして描いていた?
071 源頼朝像を見た人の感動を再現sるには
075 頼朝の顔が真っ白なのはなぜか

第二章 こけつまろびつの画聖誕生――雪舟の冒険
082 こけつまろびつ描いた雪舟
085 なぜ雪舟は邪道を選んだのか――「破墨山水図」
089 文化のオリジナリティはどこから生まれるか
093 ヘンなものを取り入れるのが好きな日本人
095 雪舟の生みだす恐るべき絵画空間――「秋冬山水図」
097 絵における「背骨」の太さ
101 莫迦っぽい絵――「彗可断臂図」
106 肖像画のダブルスタンダード――「益田兼尭像」との比較
111 人間本来の空間の捉え方
116 新しい空間の描き方――「天橋立図」
120 いい加減であるからこその自由さ
123 「天橋立図」は本当に下絵だったのか

第三章 絵の空間に入り込む――「洛中洛外図」
130 単なる地図ではない、不思議な絵
131 とっつきやすさの「舟木本」
136 王者の貫録 永徳の凄さ――「上杉本」
140 上手さとは別の迫力――「高津本」
147 「洛中洛外図」はどこから見たものなのか
151 類型化から生まれる新しさ
154 あるような無いような遠近感

第四章 日本のヘンな絵――デッサンなんかクソくらえ
【松姫物語絵巻】
160 「下手うま」でなく「下手くそ」
164 なぜ下手な絵を愛でたのか
【彦根屏風】
167 背骨のない人間?
170 デザインとは違う写実の形
【岩佐又兵衛】
174 アゴの下をとってから来い
179 又兵衛が描きたかったもの
183 絵の限界を超えるには
【円山応挙と伊藤若冲】
187 懐石も、お好み焼きも、どちらも食べたい
189 悪しき「不遇の芸術家神話」
192 デタラメだった!? 応挙の画論
【光明本尊と六道絵――信仰パワーの凄さ】
199 中世のグランドキャバレー――「光明本尊」
204 アウトサイダー・アートの先駆――「六道絵」
206 切り貼りが生み出す異質な空間

第五章 やがてかなしき明治画壇――美術史なんかクソくらえ
【「日本美術」の誕生】
210 石垣を描けないなら、画面に石を貼れ!
213 西欧の真似ができなくて、真似をしてもバカにされる
215 「日本美術」はどのように生み出されたか
【「一人オールジャパン」の巨人――河鍋暁斎】
218 一度は忘れられた巨人・河鍋暁斎
220 大きな絵を小さく見せてしまうほどの技巧
222 暁斎が重視した「筆意」とは
226 近世日本絵画の保管庫のような存在
228 パースを「とれない事ができた」
【写実と浮世絵の両立――月岡芳年】
232 構想に技術が追いついていなかった二十代
234 芳年を劇的に変えたものは何か
238 写実を取りいれながら、浮世絵師であり続けた
【西洋画の破壊者――川村清雄】
242 避けられてきた日本的なもの
245 「生き埋め」にされてきた画家たち
248 西洋画を壊して日本のものとした清雄

⇒ http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396614379

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法律・美術書を中心に広く人文書を刊行する羽鳥書店の営業担当が書いています。

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