『みすず』「読書アンケート特集」 [書評・紹介]
みすず書房発行の『みすず』2016年1・2月号は
毎年恒例の「読書アンケート特集」
「二〇一五年中にお読みになった書物のうち、とくに興味を感じられたものを、五点以内」という条件で挙げていただいているもので
作家の姜信子さんに
鴻池朋子『根源的暴力』を挙げていただきました。
姜さんが挙げられた五点はこのようになっています。
1 鴻池朋子『根源的暴力』羽鳥書店
2 古井由吉『聖耳』講談社
3 原民喜『幼年画』サウダージ・ブックス
4 『花ハルモニ』文・絵:クォン・ユンドク、四季出版社
5 河田桟『はしっこに、馬といる』カディブックス
『根源的暴力』を紹介した部分を引用いたします。
二〇一一年三月のあの日から、誰もがそれぞれに後戻りのできない道を歩きはじめたかのようだ。それは東西南北上下左右さまざまに分かれゆく道なのだろうけど、鴻池朋子が言うように「もし仮に、再び元に戻ったとしても 同じものではいられない」。戻れぬ道をいかに生きるか、いかに他者と関わり交わりみずからを変容させていくか。鴻池の問いに全身全霊で応えようとするならば、生きるということ交わるということの禍々しさにも思いを致さずにはおれない。
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